イルカと泳いだこと

北海道の知床に、鯨を見に行った。

船の上から、それは、イルカやシャチとともに見られる、とのことであったが、相手次第のことではあり、その時はイルカが見られただけだった。

 

そういうものだと思っていた。

つまり、ただ、船上から見る動物なのだと。

グランブルーという映画は観ているが、それが普通にできるとは思わなかった。

 

しかしことは違っていた。

帰って間もなく、偶然に動画を観た、人がイルカと泳いでいるではないか。

こんなこと、普通の人でもできるの?できるらしい。

となれば、後は早かった。

そういうことができるところを探し突撃していった。

まずはスノーケルに慣れるところから。幸い水泳をしていたので水は怖くない。

暑苦しいウェットスーツは苦しかった。

しかし憧れのもとにはなにも妨げにならない。

 

素潜りデビューの海は、12月である。

セミドライのウェットスーツを着ていても、ちょっとは寒い。

しかし負けない、冬の海で練習を繰り返した。

 

伊東の生け簀のイルカと泳いだのが確か2月、同じ月、下田の水族館でイルカと泳いだがこの時の水温は9度であった((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ここは練習、触ることができる。

なすびのような感触であった。

 

そして迎えた3月の御蔵島、野生のイルカとともに泳ぐことが叶った。

5回くらいは通ったと思う。

3月は海も荒れ、寒く、人間にとっては過酷であるが、イルカにとっては好条件とのことで、私のような初心者でも、近づくことができた。

8月の時は暖かく、私もリラックスしていたからか、ずいぶんとイルカは寄ってきてくれたものだった。

 

今はやらない。

なんとなく、イルカの取り合いになるような雰囲気が、好きでなかったことと、

もっと自然な形で、動物とは出会いたいものだなあって思ったから。

 

いい経験ではあったし、これでスキンダイビングの基礎ができ、海を楽しめるようになっていった。